土佐打ち刃物の歴史

高知県は南街道に属し日本書紀の時代より「土佐国」と呼ばれておりました。

全国でも屈指の「温暖多雨地」であり、古くから「良木」に恵まれ、多くの「木材」を搬出し

てきました

それに伴って「山林伐採に必要な打刃物」が古くから造られました

また、鎌倉時代後期、徳治元年(1306年)大和国より土佐に移住した刀鍛冶「五郎左衛門義光派」が室町末期(1580年)まで繁栄し、打ち続く戦国の乱世で「武具刀剣等」の需要に応じておりました

また彼ら刀剣鍛冶の影響は、農業、山林用打刃物鍛冶とも技術的にもあいまって多くの鍛冶屋が土佐国内に点在していました

なぜ香美市土佐山田町が「土佐打刃物の発祥の地」と呼ばれているかというとこの時代に土佐を支配していた藩主長宗我部元親が豊臣秀吉に仕え小田原征伐に参戦した際、佐渡から優秀な刀鍛冶を土佐に連れて帰り、現在の香美市土佐山田町に住まわせ、この鍛冶職人のおかげで土佐打刃物の技術が著しく向上したといわれております

天正十八年(1590年)土佐一国を総地検した、「長宗我部地検帳」に、399軒の鍛冶屋が居たことが記されています。

土佐打刃物の本格的な隆盛は、江戸時代初期土佐藩の財政窮迫による「元和改革(1621年)」により始まります

藩は森林資源の確保や新田開発の振興政策を遂行し、家老職「野中兼山」の「農山林収益策」により農業林業用打刃物の需要が拡大したおかげで土佐打刃物の生産量、品質が格段に向上しました

こうして藩政に対しての鍛冶屋の切磋琢磨の貢献が、他に比類なき「土佐打刃物」を生み出しました

「土佐打刃物」は多少の道具の機械化は取り入れたものの江戸時代から続く400余年の古式割り込み鍛造製法技術と伝統は21世紀になった現代の世まで変わることなく受け継がれています

 

 製造工程の解説


割込鍛造

鍛造刃物は炭素鋼を刃としています 
 
鉄を炉で焼きます
 
鉄に鏨で溝を彫ります
 
鍛接剤を溝に入れ
 

刃の部分となる鋼を鉄に割込みます
 
鍛接剤が沸く(蒸発する)時に炉から取り出し叩いて真空にし鉄と鋼をくっつけます
これを沸かしといいます
 
 
形成鍛造
注文の刃物種に形を形成します
 
 
ここまでが鍛造です
研磨
 
酸化被膜の金皮を削り外形と厚みを整えます
 
 
焼入
 
当鍛造所の焼入れは鉛バスの
水焼入です
鉛の融点の温度が炭素鋼焼入れ温度と近しいのでこの手法をとってます
 
 
鋼は熱っし急冷しますと化学変化で硬くなります
これが焼入と呼ばれる工程です
 
 
しかしながら、硬いだけでは脆くなるのでしなりや、弾性力、がある程度必要となりますので低温で熱し焼戻しと言われる工程をします
 
工業用油で材が焼き戻し温度になるまで温めます
 
刃付け・最終磨き
それに鋭利な刃を付けると切れるよぅになり、やっと刃物になります
 
ブレード完成
 
 

 研ぎなどの受付・お手入れ方法他


レードの刃欠けや磨き直し・錆除去も行っています
他社様のモノもお受けしますが、当方での責任は持ちかねますのでご了承くださいませ

基本的に当方の品であれば1本500円にて刃付け研ぎ直しはいたしますが研ぎ減り状態が凄く使用頻度の高いものと磨き直し・錆除去はお送りになられた刃物を診断してみて、お客様と打合せいたします
送料はお客様ご負担の上、修理しお返しする時も送料着払いにて、ご発送いたします
なるべく購入状態時に近しい研ぎを試みてみますので、よろしくお願い申し上げます
当方の製品は他社様での修理、研磨にて製品に破損が生じた場合は、当方では品質
につきまして責任を負いかねますので、ご注意くださいませ

お手入れ方法
ご使用後にはスポンジなどの柔らかくキズがつきにくいもので汚れを除去しまして
水で洗い乾いた布・ティッシュで水分を取ってください
その後、市販の刃物お手入れ用椿油(おすすめは黒ばら本舗)を噴き付け拭き取り、鞘もしくは箱に入れ保管ください
 
なお、未成年者の手の届かない場所に保管をお願いします
お子様がアウトドアや調理で使用する場合は保護者の方が必ずご指南くださいますよう
お願い申し上げます

錆防止コーティングの徐き
の仕方
当方の製品は炭素鋼と鉄でできておりますので錆止めのコーティングをブレードに施してます
コーティングを除去しますと本来の色目に戻り綺麗になりますが非常に錆やすくなりますので上記、お手入れ方法にてケアをお願い申し上げます
コーティングの剥がし方は、接着剤はがし液を塗り白化するまでしばらく置いておいてシンナー等で拭き取り、その後キッチン洗剤で洗ってから上記お手入れ方法にて保管くださいませ
 
 
 

 オーダーメイドについて


コピー用紙でもかまいませんが文具店で売られています5ミリマス目のある用紙に実寸大のブレード平面図面を書いていただき、厚みとハンドル素材及び詳細、鞘の種類を記入して郵送くださいませ。原寸大の木型等でもかまいません^^
その後、お見積りをお知らせいたします。
複雑な研削加工の必要なレプリカをお考えの方は実物をお貸しいただければ幸いです。
研削加工をご自分でされる方もいらっしゃいますのでご希望に沿ってお話いたします。
(焼入れは当方で行います)